この記事でわかること

なぜ今、タイピングが必要なのか

「音声入力があるから、タイピングなんて覚えなくてもいいんじゃないか」という声をよく聞きます。でも、現実はそう単純ではありません。

オフィスの中で声に出してAIに指示を出し続けることはできません。学校の教室で30人が同時に音声入力を使ったら、それはもうカオスです。電車の中、図書館、静かな会議室——音声入力が使えない場面は、日常のいたるところにあります。

タイピングができる人とできない人の差は、音声入力が使えるときには見えません。でも、使えない状況になった瞬間に、はっきりと差が出ます。タイピングは、AIを使いこなすための根本的な基礎技術です。子どものうちに身につけておく価値は、これからの時代にますます大きくなっています。

タイピング上達のステップ【3段階で考える】

ステップ1:正しいホームポジションを覚える(1〜2週間)

タイピング上達の第一歩は、ホームポジションを体に覚えさせることです。ホームポジションとは、手を置く基本の位置のこと。左手の人差し指を「F」、右手の人差し指を「J」に置くのが基本です。(FとJのキーには小さな突起がついているので、目を閉じても確認できます)

最初の1〜2週間は、このホームポジションに慣れることだけを目標にしましょう。キーを打つたびに、必ずホームポジションに指を戻す習慣をつけることが大切です。

ステップ2:正確さを優先して練習する(2〜4週間)

ホームポジションに慣れてきたら、次は「速さより正確さ」を意識した練習です。ミスタイプをしながらでも速く打とうとするのは、上達の大きなブレーキになります。

この段階でやりがちなNGは、「キーボードを見ながら打つ」こと。最初は遅くなっても、必ず画面を見て打つことを徹底してください。キーボードを見る癖がつくと、後から直すのに何倍もの時間がかかります。

ステップ3:スピードを上げていく(1〜3ヶ月)

正確に打てるようになってきたら、はじめてスピードを意識します。焦らず、少しずつペースを上げていくのがコツです。

目安となるタイピング速度の基準はこちらです。

小学生の場合は「速さ」よりも「正確に・楽しく続けること」を優先してください。数字よりも継続が大事です。

1日の練習時間の目安

タイピングの練習は、短時間を毎日続けるのが最も効果的です。長時間まとめてやるより、毎日少しずつのほうが定着します。

練習直後は指の動きが良くなっていますが、翌日には少し戻ることがあります。それでも続けることで、1〜2週間後に「あれ、なんか打ちやすくなった」と感じる瞬間がきます。この瞬間を一緒に喜んであげることが、子どもの継続モチベーションにつながります。

子どもが続けるための練習のコツ5つ

①ゲーム感覚で取り組む

タイピングソフトやアプリでは、スコアや記録が数字で見えます。「昨日より5打多く打てた」「ミスが3回減った」という小さな成長を可視化することが、子どものやる気を引き出します。

②好きな文章を練習素材にする

好きなアニメのセリフ、好きな歌の歌詞、自分が書いた日記——興味のある文章を打つと、集中力が上がります。特に日記や作文をタイピングで書く習慣は、練習と表現力の両方が同時に鍛えられる一石二鳥の方法です。

③記録をつける

簡単なノートやスプレッドシートに、毎日の練習時間・速度・ミス数を記録しましょう。グラフで見えると成長がわかりやすくなり、「もう少し続けよう」という気持ちが生まれます。

④完璧を求めない

最初からスラスラ打てる子はほとんどいません。ミスしても責めず、「今日も練習した」という事実を積み上げることが大切です。親や教育者の声かけひとつで、子どもの取り組み方は大きく変わります。

⑤タイピングを「道具を使う練習」と説明する

「なんでタイピングを練習するの?」と聞かれたら、こう答えてみてください。「鉛筆の使い方を練習するのと同じだよ。上手に使えるようになると、自分のアイデアをもっと速く、もっとたくさん形にできるようになるんだ」と。タイピングは目的ではなく、考えたことを表現するための道具です。

よくある「やりがちなNG練習」

実際に練習してみよう:TripTypeで今日から始める

タイピング練習のコツを知ったら、次は実際に手を動かすことが大切です。TripType(トリップタイピング)は、子どもが楽しみながらタイピングを習得できるアプリです。

今日の練習から始めましょう。最初の1週間で、必ず変化を感じることができます。


篠崎友寿 / 門司港BONGO・TripType運営